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桃太郎 3

翌日、村はずれで落ち合う桃太郎と仲間たち。
緋色の着物に赤い鼻緒の草履。
市女笠を被った桃太郎はどこをどうみても戦いの装束ではない。
「桃ちゃん、お姫様みたいだ。かわいい~」
猿吉たちは色めきたった。
「ありがと、長老たちに用意されたのよ。みえみえの人身御供だわね。」

「で、おばあさんは?大丈夫?」
「うん、何か思いつめていたみたいで・・・心配だったけど・・
ちゃんとお団子作ってくれたわ。秘伝の薬入りですっごく強くなるんだって
部屋に閉じこもっていたのは薬の調合だったみたい。
後でみんなで食べようね。」
桃太郎は、わが子のように大事に育ててくれたおばあさんのことが気がかりだった。
「でも、鬼退治して帰ってくれば問題ないわけだし・・・」
健気に笑顔を作る桃太郎だった。

鬼が島には若者の脚でも二日はかかった。
夜に野宿することになり、さっそくおばあさんの団子を食べることになった。
まずは年長者の猿吉が一口
「ん。これはうまい、元気になりそうだ」
「どれどれ。強くなる団子か。おいらも戴こう」
「本当だ、何でできているんだろう?すごくうまいよ」
雉朗も、犬伍もつられてほお張る。
みんなの美味しそうな顔を見て桃太郎も食べ始めた。
「あら・・美味しい。お酒が入っているのかしら、体が熱くなってくるわ・・・
ああ・・気持ちがいい、でも・・ああ、だめ・・むずむずする・・・」
桃太郎の顔が上気し始め目がとろんと潤み始めた。
「どうした・・・桃・・うっ、俺は力が漲ってくる・・・これは
我慢ならん・・・うう・・・」
猿吉が股間を押さえている。
雉朗はすでに眼がいってしまい、褌に手をかけていた。
「はっ、はっ、はっ、はぁ・・・」
犬伍は口を開いたまま肩で息をしている。
渾身の力で意識を留めている男たちの真ん中で桃太郎は着物の衿に手をかけた。
頬は赤く上気し、濡れた唇からなまめかしい吐息が漏れる。
ついには胸を大きく開きのけぞって見せた。
「あああ~。熱い・・熱いの・・・」
三人の自制の欠片は桃太郎の次の言葉で吹っ飛んだ。
「あああ、熱い・・。欲しい~ああ~頂戴~」

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  桃太郎4 へつづく