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大人のための時代小説

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桃太郎 7

海岸に続く峠を下りながら桃太郎が一言。
「わたしもみんなみたいに強くなればいいのに・・・」
「桃ちゃんは俺たちがちゃんと守るよ。」
猿吉が慰める。
「それとも・・・・」
雉朗が歩みを止めてつぶやいた。
「みすみす桃ちゃんを危険にさらすなんてやめて、みんなで逃げようか」
「こら、士気が下がるようなこというなよ」
「桃ちゃんを守るのは同じだよ」
「あほ、それじゃ根本的に解決になんないだろ
 桃ちゃんが狙われてるなら、どの道戦わなきゃならない。」
「俺が言ってるのは作戦の問題で・・・・」
仲間たちに内輪もめに桃太郎が割って入った。
「ねぇ、みんな」
「私が鬼が島に行くのよ。私が戦いに行くの。
わたしは邪気を払う神の使い。だから私が行くの。
みんなは無理しないで。」
桃太郎はそういってにっこり笑った。
雉朗ははっと顔を上げ、何かを悟ったようにその場に跪いた。
「お供します」
そうだ、桃太郎が戦いに行くのだ。
そして俺たちはいみじくもそれを守るための力を備わったのだ。
逃げるための力ではない。これは運命なのだ。
「お供します」
猿吉と犬伍も跪いた。
「またまたぁ~。やめてよ、みんな~」
桃太郎がかわいらしく照れ笑いをする。

まもなく海岸が見え、その向うに鬼が島が浮かんで見える。
猿吉は知恵を廻らせ、犬伍は耳と鼻を、雉朗は視界と心眼をそれぞれ研ぎ澄ませた。

こうして、どこか脳天気な桃太郎と強くなった仲間たちは鬼が島に向かった。
桃太郎 8へ続きます
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次回いよいよ鬼が島。
仲間たちは桃太郎を守れるのか?
桃太郎 8
なんか、ショートショートじゃなくなってきました・・・・(^^;)
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