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桃太郎 11

「んんん・・・」
健気に声を押し殺したが、桃太郎の様子は艶かしく、手下の鬼どもは涎を垂らさんばかりの様子だ。
白い果肉の筋目に沿って、ちろちろと蜜が溢れ始めた。
すると更に香りが充満し、次第に鬼たちはマタタビを与えられた猫のごとく目は虚ろになり、だらりとマヌケヅラを晒し始めた。
(ああ、やはり私は薬なんだわ。鬼にはこんな効き方するのね。)
桃太郎の香りは鬼たちには違う効果をもたらすようだった。
「ふん・・・・・。手玉に取ったつもりか。手下には効いても俺にはそんなものは効かんぞ」
頭は香りにまどうどころか自慢げに一物を更に硬く反らせて桃太郎の目の前に突き出した。
「・・・」
「泣け、喚け、命乞いをしてみろ。お前の美しい顔が苦痛に歪むのが、俺のこの上ない楽しみだ」

しかし桃太郎は、怯えるどころか足をいっぱいに広げ鬼の前に咲き始めたばかりの可憐な花びらを晒してみせた。
そうして片手で乳房を揉みしだき、もう一方で花びらをかき混ぜ始めた。
いつ覚えたのか、細い白い指をぷっくり膨らんだ花芯におき、クリクリと柔らかく弄り回す。
花びらの奥からびちゃびちゃと音を立てながら蜜が流れ出る。
「あん、あん・・・あん・・・」
まるで目の前に鬼がいるのも知らないかのように腰をせり上げ快楽に耽り始めた。
「なんのつもりだ。・・・」
頭はほんの少しグラついて見えた。
(ああ、腕力がなくても私にも少し力があるのだわ)
羞恥に耐えながら桃太郎は夢中で指を動かした。
取り囲んだ手下どもはすっかり毒気を失い、とろんとした目でこの情景に見入っている。
10o.jpg

桃太郎はありったけの妄想を膨らまして、淫靡に悶え続けた。
記憶に新しい猿吉たちとの交わりを思い起こすと体は火の様に熱くなり、迷いも消え去った。。
「んぁ・・あん・・ああ・・・ああ・・」
小さな唇から濡れた吐息が次第に短くなり、敏感な桃太郎の花芯が限界を迎えようとしていた。
食い込むように乳房をつかみ、激しい指使いに腰を上下させ両足を硬直させる。
「ああ・・いい・・いい・・いっちゃぅ・・・」
広間中の鬼が見守る異様な状況で桃太郎が絶頂を迎えようとしていた。
頭の鬼も例外ではない。その甘美な情景に一瞬心を奪われたのだ。
指のあいだからも蜜はとろとろと溢れ始め、その香りはとうとう・・・・・。
がくんと膝が折れる音がして、鬼の頭の体がよろめいた。
桃太郎の香りが鬼の頭からも力を奪い始めたのだ。
「お・・おのれ・・・」
頭は女とみて侮っていたことを悟り、正気を取り戻そうとかぶりを激しく振った。
頭ともなると、剛健さは他の鬼どもと違う。
脱力をものともせずよろめきながら桃太郎の小さな体にのしかかってきたのだ。
「うぉおおおおお!!!」
頭の咆哮がすぐ耳元で聞こえた。
「ああ・・だめ・・・」
「ひゅんっ」
短い風の音が通り過ぎた。
頭が抱きついた先は桃太郎の柔肌ではなく洞窟の固い床だった。
桃太郎はすでに雉朗の腕の中、鬼たちの円陣の外にいた。
「雉ちゃんっ!」
そして二人を囲んで猿吉と犬伍が立っている。

「貴様ら、どこから入った?」
「ご丁寧に結界やら、迷路やら張り巡らしやがって・・・」
「俺たちは、どんなところでも簡単に入れるのさ」
三人の尋常ではない汗が侵入が容易ではなかったことを物語っている。
島の裏手から侵入した猿吉たちは、犬伍の嗅覚と雉朗の心眼を頼りに人の目から隠された抜け道をやって来たのだ。
「もう大丈夫だよ」
鬼たちをにらんだまま猿吉が桃太郎に声をかけた。
桃太郎の匂いを頼りに照準を定めてやって来た猿吉たちと
桃太郎の匂いに惑わされて猿吉たちの侵入に気づかなかった鬼たちと・・・。
たった三人ではあるが、奇襲の効果が大いに猿吉たちに味方した。
桃太郎の香りに酔った上に泡を食った広間の鬼どもは総崩れになり雉朗と犬伍で瞬く間に倒された。
頭の鬼はさすがに強く、猿吉との一騎打ちになったが、酩酊した鬼と,
人とは言え神の加護を受けた猿吉では優位にあるほうは明白だ。。
「地獄に帰れ!」
最後は猿吉の正拳が眉間に入った。


桃太郎12へ続く