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大人のための時代小説

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山の神 その五

山の神がおもむろに弥太郎の前で屈んだ。
「出して・・見やれ」
「え??」
美しい花びらのような唇から出た言葉に、自分で品定めを乞うておきながら弥太郎はどぎまぎした。
手に持った弓を直し、弥太郎はそそくさと褌をはずした。
さすがに間抜けな気がして弥太郎のぐちなわはすっかりうな垂れている。
それを、山の神が顔を近づけて眺めている。どうにも居心地が悪かった。
弥太郎の片足は相変わらず土の中に根を張り、そこを動くこともままならないまま
山の神の検分に甘んじるしかない。
掌と腋のあたりに汗がぐっしょりと湧いてきた。
「こ・・・このままではぐちなわは働けない。」
うな垂れたものを恥じて弥太郎は言い訳をした。
「ぬ・・・ぬしも脱いで見せて欲しい」
(何を言っているのだ俺は・・・・・)
柄にもなく弥太郎の厳つい顔が上気した。

しばし、弥太郎の一物を眺めた後、山の神が面を上げた。
初めてその瞳とまともに目を合わせ
思わず弥太郎は目を伏せてしまう。
神に気圧されたか・・・いやちがう・・・
筆おろしが済んでるとはいえ、弥太郎は女の扱いには慣れていないのだ。
どきどきと鼓動が速まり、それが背筋から股間に血を送る。
見る見る弥太郎のものは嘶く馬のごとく天に向かって反り返った。
「ほぅ・・・」
山の神がいきりたった弥太郎の股間に顔を寄せる。
気のせいか微笑んだようにも見えた。
本来の姿を蘇らせた弥太郎のぐちなわは、山神の気に召したようだ。
あろうことかその白い指先で、反り返った首のまわりにぐるりと指を這わせた。
「あ・・・」
弥太郎は我ながら情けない声を出したことに気づきまた汗を噴出している。
先端から朝露ほどの先走りが滲む。
もう、いったい何がなんだかわからなくなってきた。
(俺は夢を見ているのかもしれない・・・)
思いもよらぬ展開に弥太郎の思考は完全に麻痺してしまった。
目を白黒させる弥太郎を尻目に山の神はゆっくりと帯を解いている。
なにやら誘っているようにさえ見える。
弥太郎は口を開いたままその様子を食い入るように見ていた。
「こうか?」
着ていた白い衣をするりと脱ぎ捨てた山神の肌は木漏れ日の中で淡くぼやけて見えた。
木漏れ日が強すぎるのか、体そのものが発光しているのか
目の錯覚か、もはや弥太郎にはわからない。
一糸纏わぬその姿は人間の女のかたちそのものだ。
しかし無骨ものの弥太郎にさえ、それが神々しく近寄りがたいものに思われた。
透けるような肌からはとてもよい香りが漂ってくる。
体の中心にある翳りだけが、妙に艶かしくそこだけがくらくらするほど妖しげに暗い。
「挿れて見よ」
柄にもなくうっとりと眺めていると、また鈴のなるような声が響き、思わず我に返る。
(挿れる??・・・といったな??)
山の神が惜しげもなく素肌をさらしている。
ああ。ついにこの美しい体と交わるのだ・・・・。
恐怖心を凌駕したのか麻痺したのか、本能のままに白い肌に手を伸ばそうとしたのだから、
男というものはつくづく単純にできているものだ。
「!!」
しかしその片足は相変わらず地面につながっている。
弥太郎はまだ囚われの身なのだ。
「足に根が生えて自由が利かぬ・・・どうかここから動けるようにして欲しい」
前のめりに身悶えながら、弥太郎は懇願した。

山の神は少し考えてから、片手を開いて見せた。
掌から樹液のようなものがみるみる染み出してきたかと思うと、その手を弥太郎の硬く鎌首をもたげたぐちなわにの首の辺りにあてがいくるくると撫でまわした。ねっとりとした樹液のようなものは男の先走りにもにている。
ぬるりとした感触を細い指先で撫で回されたのだからたまらない。
「ううう・・・」
弥太郎はその刺激だけで粗相しそうになるのを、必死でこらえた。
「挿れて見よ」
山の神は背中を向けて白桃の様な尻を先ほどよりも近くに突き出してきた。。
どうやらこのまま繋がれということらしい。
形のよい尻の真ん中に妖しげに濡れた翳が、ぐちなわに「ここだ」とばかり誘っている。
白桃に木通の口が開いたような不釣合いな淫靡さ。
弥太郎のぐちなわはそれだけで破裂しそうになるのだ。

弥太郎に選択の余地などはなからない。
片足を地面に取られたまま山の神の腰を後ろ抱きに掴まえた。

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しり